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「請負」とはその発想に危険を含んでいる

2011.11.11

与えられる受注から転換して、仕事を創り出すお手伝いができないか。「請負」とはその発想に危険を含んでいるものである。請負の定義、あるいはウケマケの弱さについては、大いに論争の余地があるところだが、学問的な論議は他書にゆずり、ここでは、請負をセールスの立場から考えてみよう。現在の建設業の母体とも言うべき請負業の起源は江戸時代にさかのぼる。では、なぜそのようなものが生まれたかを考えてみよう。大工や左官、瓦職人など多くの職方に依頼する手間を省き、いっさい面倒を見るというのが、そのはじまりではなかったか。

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あるいは未知の事業で、あらかじめ取引条件の内訳を明確にできないような仕事が、完成保証という形で請け負われたこともあるだろう。今日では、ひとつの事業、たとえばビジネスホテルに適した土地を探し、もっとも営業効率の高い建物を設計し、建築し、ホテル従業員の教育、はては開店の広告までを引き受けるという受注システムに見られるところのフル・ターンーキー・システムなどと言われるものがそれである。これは事業家である発注者の意図を受けていっさいお膳立てし、あとは発注者がキー(鍵)を回せば仕事が始められるまでにして建物を引き渡すところに由来している。これが請負の原点ではなかろうか。それでこそ発注者の要望に応え、「満足」を引き渡し、さらには、発注者に利益奉仕することができるのではないだろうか。これにくらべれば、ありきたりの工事を受注している官庁工事などは、原価・施工方法が決められており、「お前はこの方法でやりなさい。それについては、こういう根拠で、この単価がつけてあるから、損しないように頑張りなさい」と言われているようなもので、請負の危険もないかわりにウマミもない。ちなみに、造船業も同じ受注産業であるが、請負とは言わない。注文服(オーダーメイド)も受注ではあるが請負ではない。請負とは、その発想に多分の危険を含んでいるものであり、その危険を克服し、豊かなアイデアを生み出す知恵こそが、利益を与える泉なのである。





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